渡辺 香津美(Kazumi Watanbe)
【Profile】
ギタリスト・コンポーザー・プロデューサー。
詳細プロフィール : オフィシャルWebサイト
【アンダルシアンギターユーザーとして】
2022年11月17日(木)、代々木第一体育館にて開催された新日本プロレスの音楽イベント″新日本プロレス50周年記念 シンニチイズム ミュージックフェス"にて、エル・デスペラード選手の入場曲 "Aquja De Abeja" をアンダルシアンギター Marcelo Barbero 1948 / Cut-Away w/ Carlos Pick Up にて演奏し、数千人規模のアリーナホールでの大音量バンド演奏におけるナイロン弦ギターのポテンシャルを極めた演奏が大好評となる。
永年の文化芸術への貢献により、 令和4年度文化庁長官表彰を授与される。
※渡辺香津美氏、ご本人様よりアンダルシアンギターの出会い、ご購入に至るまでの経緯、そして初めてライブで使用した際の詳細な様子をレポートして頂きました。
"アンダルシアンギターとの出会い"
僕が新しいギターを購入するキッカケは、例えば楽器店で試奏してそのまま気に入って…という場合もあるが、やはり「次のレコーディングで使いたい」とか「来るべき○△のライブで弾きたい」というのが、大きなモチベーションになっているのは間違いない。
数ヶ月前「新日本プロレスが創立50周年を記念して《シンニチイズム ミュージックフェス》というのを開催する。歴代・現役選手の入場曲を、全曲生バンドで演奏しようという企画だが、ゲストギタリストとして参加して貰いたい。香津美さんには、エル・デスペラード選手の【Aquja De Abeja】というスパニッシュタッチの曲を弾いてほしい」という依頼があった。送られてきた音源を聴くと(ギターはサンプリングの打ち込みとの事だったが)確にラスゲアードやトレモロ、速弾きを駆使した演奏である。ナイロン弦のギターは何台か所有しているが、バンドの爆音の中で弾くとなると、(自分もギターも)相当の覚悟が必要になる。
普段のライブで使っているWaterRoadのナイロン弦エレアコは、ジャンゴやボサノバ、ジャスを弾くには最高だが、もう一声(ひとこえ)フレーズをリングマットに叩きつけるようなアタックと斬れが欲しくなる。その時、沖仁君に紹介してもらった《ノブロック弦》の販売元であるSpain Guitar Online Shopの事が脳裏に閃いた。早速サイトにアクセスすると、以前から気になっていた《アンダルシアンギター》のページを開いた。最初に目に飛び込んできたのは、真っ赤な《Marcelo Barbero 1948》というモデルのギター。シングルカッタウェイ、しかもCarlosピックアップがインストール済みとある。コメントを読むとアル・ディ・メオラがスーパーギタートリオで使っていた《コンデエルマノス》のデザインにインスパイアーされた楽器?と勝手に解釈。「僕のためのギターじゃないか!」。店長の田村さんにメールして、楽器を軽井沢のアトリエまで送ってもらって暫く試奏することになった。
手の小さい僕にとって660mmの弦長は初めてだったが、指板のラディアス形状も相まりレスポンスの速さは快適で、杞憂は消し飛んだ。あとは、バンドの轟音の中で弾く際のハウリング問題さえクリアーしてくれれば。リハーサルに向かったスタジオでの初めてのサウンドチェック。エレキベースやキーボード、ドラムセットに囲まれた中でCarlosは頑張った。「これならステージでも充分いける」との感触を得る。
そして本番の日を迎えた。だがステージでのサウンドチェックで愕然とした。バンドの音量が半端ない。リハーサルの時の3倍は出してる?という本気の音圧。流石のCarlosもマイク成分を増やすとハウリが兆(きざ)す。思い切ってピエゾのEQを全開にしてバランスを取ってみる。するとモニターからギターがガンガンに聴こえ始めた。これなら勝負できるぞ!との確信。あとは心を無にして奏でるのみ。
開演から小一時間ほどで出番になった。ステージの中央まで進み、椅子に腰を下ろす。僕からのカウントでバンドのリズムが走り出す。何かに導かれるように、指はバーズアイメイプルの指板の上を縦横無尽に駆け巡った。エンディングの一打が決まると、歓声と拍手で周囲の光の輪が眩しい。気がつくと、目の前にエル・デスペラードが立っていた。
この夜の僕のパッションを全て受け止めてくれたアンダルシアンギター、これからも良き相棒となってくれることだろう。
渡辺香津美
※写真ならびに文章の無断使用、転載を固く禁じます。
高木 潤一(Junichi Takagi)
【Profile】
フラメンコギタリスト。17歳よりプロとしてクラブ、ライブハウスなどで活躍する。
86年渡米、名ピアニスト、バリー・ハリスに師事する傍らロン・カーター、マル・ウォルドロン等とセッションを重ねる。帰国後はフラメンコギターを坂中浩治氏に師事する一方で、ジャズ、クラッシック、世界中の民族音楽のエッセンスを盛り込んだ、ギター、ヴァイオリン他の編成によるMASARA(マサラ)を結成、東京を中心として日本各地のライブハウス、イベント等でライブ活動を展開中。
【Media Works;現在入手可能なものを記載】
・ナムコ Play Station 2 『Ace Combat ZERO;エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー』
※Spanish Guitarとして録音に参加
Galm 2 (Pixy's theme song)
Epilogue - Near the Border - Ending (Credits)
・わらぶき 日本のうたI
・Live Lab. SUPER GUITAR TRIO TRIANGLE MAX TONES [DVD]
・バンダイナムコ Play Station 4 『ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN』
※アンダルシアンギターを使用して録音に参加
【アンダルシアンギターユーザーとして】
日本において最もヘヴィーなアンダルシアンギターユーザーとして、その良さを心底理解していただいております。保有されているアンダルシアンギターのほとんどがオーダーメイドで作製されたものです。ダブルカッタウェイのモデルにはピックアップを後付けて搭載させ、エレガットとして使用しているとのこと。今後もますますライブにレコーディングに活用し、日本におけるアンダルシアンギター第一人者として活躍して下さることを願っております。
増井 建一(Kenichi Masui)
【Profile】
フラメンコギタリスト。東京都在住。 ・使用ギター:アンダルシアンギター(※Marcelo Barbero 1945)
1969年生まれ。 16歳よりギターを独学で始める。 19歳よりフラメンコ・ギターを日野道生氏に師事。 1992年スペインへ留学。 マドリッド、セビリアにおいて、地元のアーティストと交流。 アリカンテにわたり、「Raices gitanas」というフラメンコ・グループに参加。 レストラン、タブラオ、クラブ等で活躍。 現在、東京を中心にタブラオ、舞台、各種イベント等で活動中。 (※新宿エル・フラメンコにて本番前に撮影,2014)
『どこまでも行ける翼を手に入れた・・(ライブ本番で使用して)』
踊りの伴奏は、踊り手さんの動きや、表情を瞬時に読み取りテンポや、
テンションを目まぐるしく変えていくので、
ギターにも一瞬の隙を感じさせない反応の速さが求められますが、
アンダルシアンギター Marcelo Barbero 1945を本番で使ってみて、
その瞬発力に改めて驚かされました。
弾く以前に自分の中にあるイメージを事前にわかっているような感じで、
さらに音色が 「これってCDですか?」 というくらいのめっちゃいい音なので、
どこまでも行ける翼を手に入れたような、本当に感動ものでした!
サイドのサウンドホールは、ステージ上のモニターよりも早く大きく聞こえるので、
演奏の手助けになってくれています! Marcelo Barbero 1945 今後も大活躍間違いなしです!
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