現代のナイロン弦、ガット弦のギターはスペインが発祥と言ってもいいでしょう。長年スペイン製のギターを触ってきましたが、日本を含め他の国で生産されたギターでは決して出せない音があります。工法、構造が同じであっても、作り手である ”人” に纏わる歴史、伝承された技術、木材へのアプローチというものは、全く異なっております。生活圏が違えばなお一層、差異は大きくなるでしょう。また、気候のパラメータも付加されます。そして、日々の生活として製作されるギターに蓄積される情報量は、2ヵ月程度という製作日数ですら膨大なデータ量になると考えられます。それが作品の微妙な差異として現出し、完成されたギターの音へと集約されることで、このスペイン独特のサウンドを感じることができるのかもしれません。これが、工法、構造を同一とするギターを製作したとしても、人が作ることによる いい意味での ”不確実性” による好影響なのではないでしょうか。
ブロスが作るフラメンコギターにもこの好影響が顕著に表れており、ファクトリー製(それがスペイン工場であったとしても)、またはスペイン以外の国で製作されたフラメンコギターとは一線を画します。音に迷いがありません。それはフラメンコという音楽が空気の中に埋め込まれている本国で作られているのですから、ターゲットとする "音" が明確なのです。トップダウン方式で目指す "音" へ向かって製作作業が進んでいると考えたらよく分かるかもしれません。これに対して、ファクトリー製であったり、他国で製作される場合は、設計図に基づいたボトムアップ方式となると言えるでしょう。例えば、日本製のものや日本人指導のもとのアジア製品など工芸品としての出来は目を見張るように素晴らしかったりします。しかし、音がまるでフラメンコギターじゃないというのは結構、頻繁に遭遇します。それはトータルのサウンドが考えられておらず、寸法などが閾値としてその範囲内に入っていればいいという考えかだからそのようになるのでしょう。
フラメンコギターの音というのは、雑味のないクリーンなトーンではなく、もっと複雑な音成分が合成されることで、 ”らしさ” が醸し出されます。”らしさ” を表現するためには、その音楽に精通し、心底愛情を注いでいることが根底に必要です。なぜなら、耳の中で、頭の中で鳴っているサウンドが最終目的であって、材料を隙間なく寸分違わず組み込むことが目的ではないからです。ファクトリー製よりも、ワークショップ製の方が優れているのはこういうサウンドに対するトータルバランスを容易に考慮し共有することができるからなのです。もちろん、弾きやすさや、ギター特有のデザイン、演奏性といった別のパラメーターも同時に考慮しなくてはいけません。これもワークショップ製は非常に有利であることは、同じ原理ですので容易に分かるでしょう。
ブロスのフラメンコギターは、フラメンコギター製作において必要となる、このような複数のパラメーターを容易に調整することができる環境にあることを大前提としながら、それを40年近くも継続、蓄積してきました。フラメンコならスペインでしょ!という至極当然のことを思い出せば、ブロスに到達することも自然な流れだと思っています。三味線買うなら日本製を買う、エレキギターならUSA製を買う、そんなとっても簡単な感覚、まずはそこからフラメンコギター選びをしてみてはいかがでしょうか?
ブロスはそういうフラメンコギターを作っています。
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